モナークプログラミングとは

みなさんはモナークプログラミングをご存じでしょうか。モナークプログラミングとは、アメリカ政府の計画MKウルトラから生じたもので、トラウマ、拷問、性的虐待、ドラッグ、オカルト儀式を用いた洗脳のことです。ここでは、そんなモナークプログラミングについて、概観したいと思います。

 

 

モナークプログラミングとは

 モナークとは、オオカバマダラ蝶のことで、この蝶の「親や祖父母の故郷への帰り方が、たとえ子の蝶がそこに行ったことがなくても遺伝によって伝わる」という特性があるために名前に使用されました。モナークプログラミングは、数千年前の拷問や性的虐待、儀式などのオカルト知識が由来しています。また、モナークプログラミングの基礎はナチスドイツによって築き上げられました。モナークプログラミングの父と呼ばれるヨーゼフ・メンゲレ博士は、一卵性双生児を用いた実験などによって、研究に大きく貢献しました。その後、アメリカに伝えられ、CIAがプログラミングを完成させました。

 モナークプログラミングは、トラウマ、拷問、性的虐待、ドラッグ、オカルト儀式を用いた洗脳のことです。これらの洗脳により、犠牲者は、殺人や性的奉仕をするための奴隷に作りかえられます。年間100万人ほどの子供たちが誘拐され、犠牲になっています。

 洗脳者であるプログラマーはまず、電気ショック、拷問、虐待を使用して被験者に強烈なトラウマを与え、現実から切り離すように強制します。これは、耐えがたい痛みに直面した時の人の自然な反応です。この解離のしやすさは、何世代にもわたる虐待をうけた家族の子供に最も容易に見られます。精神的解離により、プログラマーは被験者の精神にあらたな人格を作成できます。これはプログラムして自由に操ることができます。

 犠牲者は所有者であるハンドラーによって思いのままに操られます。犠牲者の負ったトラウマにより、そのトリガーを発動させることで、いつでも意のままに操ることができます。トリガーとは、過去のトラウマやストレス経験によって、無意識のうちに引き起こされる感情や行動のきっかけのことです。

 モナークプログラミングの犠牲者は、軍事、性奴隷、娯楽産業などの分野で使用されています。彼らは命令に疑問を持たず、自分の行動を覚えておらず、発見された場合は自動的に自殺します。

 

モナークスレーヴの類型

 モナークプログラミングの犠牲者であるモナークスレーヴには、様々なタイプがあります。

 ALPHAは、非常に顕著な記憶保持が特徴で、体力と視力が大幅に向上します。

 BETAは、「性的な」プログラミングと呼ばれます。このプログラミングは、学んだすべての道徳的信念を排除し、抑制のない原始的な本能を刺激します。「猫」の別人格が出てくることもあります。一部の女性有名人、モデル、女優、歌手がこの種のプログラミングにさらされています。

 DELTAは「キラー」プログラミングとして知られており、もともとは秘密作戦で特殊エージェントやエリート兵士を訓練するために開発されました。暗殺や自爆テロなどを行います。

 THETAは「サイキック」プログラミングと見なされます。彼らは、テレパシー能力などを電子マインドコントロールによって開発されます。具体的には脳インプラントマイクロ波などです。

 

参考文献

シスコ・ウィーラー フリッツ・スプリングマイヤー 小谷まさ代訳『多重人格はこうして作られる モナーク・プログラミング・マインドコントロール』,徳間書店,1996

Monarch: The New Phoenix Program (pactsntl.org)

Microsoft Word - formula.doc (archive.org)

イルミナティのマインドコントロールの暴露(2017/10の記事) - 虚構と欺瞞の世界に生きる (hatenablog.com)

タマちゃんの暇つぶし ★モナーク・マインドコントロールの犠牲者:芸能界編 (fc2.com)

タマちゃんの暇つぶし ★「イルミナティのマインドコントロール」 (4) シスコさんの場合 (fc2.com)

悪魔教の儀式とマインドコントロール - 明日を信じられる時代になって欲しい。日常の活動日記 (goo.ne.jp)

Monarch Programming – Hear the trumpets

Origins and Techniques of Monarch Mind Control | The Vigilant Citizen

MONARCH PROGRAMMING | Monarch Mind Control is a form of mind control which creates a mind control slave by utilizing the human brain’s trauma response of dissociation to create a form of Multiple Personality Disorder (MPD) wherein various triggers can cause the slave personality to surface and respond to commands given by the master (“Handler” in Monarch parlance). (wordpress.com)

ナチスとオカルト

みなさんはナチス・ドイツを知っていますか。ナチス・ドイツは、国家社会主義ドイツ労働者党(ナチ党)政権下の、1993年から1945年までのドイツ国の通称です。今回は、そんなナチス・ドイツとオカルトとのかかわりをひも解いていきたいと思います。

 

 

ナチスの成立過程

 一九三三年一月三〇日は、ドイツ史の転換点となりました。その日、ナチ党の党首、ヒトラーヒンデンブルク大統領によって首相に任命されたのです。当初はナチ党の単独政権ではなく、ドイツ国家人民党という伝統的な保守政党とナチ党の連立政権でしたが、その後、ヒトラーヴァイマル共和国の議会制民主主義に終止符を打ち、自らを最高指導者とする独裁体制を樹立しました。

ナチス占星術

 ナチ首脳部はありとあらゆる占い術にとりつかれていました。その中ではもちろん占星術が歴史が古く、比較的信頼のできる占い術です。彼らはとりつかれたような情熱をもって、惑星や恒星のチャートを調べ上げ、ドイツ勝利の徴候を必死に探ろうとしました。

 一九三三年、ナチスがついに政権を握ると、オカルティストの多くは自分が力を振るえる場面を予想しました。しかし、これほど悲劇的な期待外れはありませんでした。その主たる原因は、第一次ナチ政府が連合政権で、いつ分裂してもおかしくない寄り合い所帯だったことです。そこで、ヒトラーはどうしても過去の暗い側面から党を切り離す必要がありました。ナチ党首脳部がなにより避けたかったのが、黒魔術や悪魔崇拝との関係が公になることでした。

 占星術師は目をつけられ、徹底した迫害が加えられました。ドイツの占星術師の大半が属する中央占星術事務局の指導者が逮捕されました。ほどなく彼は釈放されますが、以後は慎重な行動をとるようになります。

ユダヤ思想

 ドイツの人種主義育ての親のひとりがリヒアルト・ワーグナーです。この作曲家はゲルマン神話とオカルトに強く惹かれ、最初のオペラ『リエンチ』でもオカルトへの強い傾斜を示しています。神話およびオカルトへのこの関心は生涯継続します。初期の成功をもっぱらユダヤ人の知己に仰いだにもかかわらず、いやおそらく仰いだからこそ、ワーグナーは熱烈な反ユダヤ主義者でした。そんな彼を支持したのが、ヒトラーでした。

 ドイツにおける人種差別的なオカルト神話の次の「弾薬」は、エストニア、フランス、そしてユダヤ人の血の混じるアルフレート・ローゼンベルグによってもたらされました。ボルシェビキ革命はローゼンベルグを憎しみで一杯にしました。彼によれば、自分が会ったロシア共産主義者の九〇パーセントはユダヤ人であるそうです。自身ユダヤ人の血を引くくせに、本人は純粋なドイツ人だと信じていました。だが六年間ドイツ暮らしをしても、正しいドイツ語の文章は綴れませんでした。それにも関わらず、彼はナチ党への加入が認められます。

 むろん、ヒトラーはローゼンベルグ反ユダヤ主義さえも上回ることになります。あるときヒトラーは、ドイツ人のダンツィヒ市長ラウシュニングに、ユダヤ人は人間以下の生き物であるばかりか、文字通り悪魔の子孫なのだと述べました。ヒトラーはいいます。「ユダヤ人は反人間であり、別の神の被造物である。かれらは人類の別のルートから生じたのかもしれない。ユダヤ人が獣だというのではない。むしろわれわれアーリア人よりはるかに獣から進んでいる。かれらは自然を超え、自然とは異質な生き物なのだ。」

世界氷河説

 「世界氷河説」もしくは「氷河宇宙進化論」は、ヒムラ―ならびにヒトラーを夢中にさせた学説です。これを最初に唱えたのはヘルビガーというオーストリアのエンジニアでした。ヘルビガーによれば、複雑極まる宇宙発生論において、まず月が氷で作られます。この考え方だと、太陽系の起源は氷の塊が太陽と衝突したことで始まる必要があります。ヘルビガーは「重力の影」と呼ぶものを理由に、自説を裏付ける事実が存在しない訳を説明します。「重力の影」とはなにかと尋ねられると、ヘルビガーはただこう叫び返すだけだった。「いつになったら数学に価値がないことを覚るのだ?」

参考文献

石田勇治,『ヒトラーとナチ・ドイツ』,講談社現代新書,2015

マイケル・フィッツジェラルド 荒俣宏監訳,『黒魔術の帝国 第二次世界大戦はオカルト戦争だった』,徳間書店,1992

横山茂雄,『増補 聖別された肉体 オカルト人種論とナチズム』,創元社,2020

悪魔的儀式虐待とは

みなさんは、悪魔的儀式虐待(SRA)が何かご存じですか。これは、悪魔崇拝者の儀式に子どもたちが供されて性的・肉体的に虐待されたとする事件です。そのような事実はないとする意見もありますが、実際に被害を訴える人々がいる以上、見過ごすことはできないでしょう。今回は、そんな悪魔的儀式虐待について考えていきます。

 

 

悪魔的儀式虐待とはどのようなものか

 悪魔的儀式虐待(SRA, Satanic Ritual Abuse)は、冒頭でもお伝えした通り、悪魔崇拝者の儀式に子どもたちが供されて性的・肉体的に虐待されたとする事件です。例えば、悪魔崇拝の儀式で妊娠させられた10代の少女が、出産間近の赤ちゃんを強制的に出産させられ、カルトのメンバーが見守る中、儀式的に子供を殺し、その心臓を食べさせられます。別の少女は、オオカミと一緒に電気の檻に入れられ、彼女の多重人格の一部である「オオカミの性格」を故意に作り出すために儀式的に拷問されます。

 これらの虐待の成人生存者は10万人以上存在し、治療を受けているといわれています。

 

『ジェニーのなかの400人』より ジェニーの例

 ジェニーの母親は、悪魔的儀式に参加していました。そのため、ジェニーも一緒に参加しなければなりませんでした。ジェニーは、悪魔的儀式に嫌がらず参加したため、より多くの儀式をさせられました。苦痛を与えられてもひるまなかったし、悲鳴もあげませんでした。ナイフで切られても、熱い聖油を注がれても、黙っていました。また、彼女は、おとな顔負けの冷静さで、人間のくるぶしの皮膚を切り取ることまでやってのけました。そんな彼女はある時、薬入りのワインを飲まされました。そして、儀式の中で殺しをすることを強要されました。彼女は、逃げることもできず、ただ従うしかありませんでした。

 

虚偽記憶症候群とは

 数多く報告された悪魔的儀式虐待の被害に対して、あまりの突拍子のなさに懐疑的になる人々が現れました。彼らは、一九九二年三月に虚偽記憶症候群財団をフィラデルフィアで設立しました。この財団は、成人した子供たちが、家庭内で行われた幼児虐待の恐ろしい記憶をセラピーで取り戻した、という経験を持つ親たちが団結した団体です。その使命は、心理療法にかかった患者たちが、起きてもいない子供の時の恐ろしい記憶を思い出した気分になるように仕向けられた可能性があることを、世間に向かって告げることでした。つまり、悪魔的儀式虐待は嘘であるということです。この点で問題なのは、子供たちがセラピストたちの手によって親から引き離されてしまうということです。

 

真実はどうなのか

 FBIなどの統計上は、そのような事実は認められません。FBIは結局アメリカ国内で悪魔崇拝者らが幅広く虐待を行っているという事実はないと結論を下しています。これはアメリカの特に宗教に熱心な地域社会で広まったものであるということで、悪魔崇拝者のレッテルを貼られたものに対する文字通りの現代の魔女狩りに過ぎなかったとしています。

 

参考文献

悪魔的儀式虐待 - Wikipedia

ブリトニー・スピアーズ「私はイルミナティの悪魔教儀式を受けた」 - Tanto Tempo (hatenablog.com)

The Hard Facts About Satanic Ritual Abuse | Christian.net

ジュディス・スペンサー 小林宏明訳,『ジェニーのなかの400人』,早川書房,1993

イアン・ハッキング 北沢格訳,『記憶を書きかえる 多重人格と心のメカニズム』,早川書房,1998

ローレンス・ライト 稲生太郎+吉永進一訳,『悪魔を思い出す娘たち よみがえる性的虐待の「記憶」』,柏書房,1999

アストラル体投射にたまたま成功した話

みなさんはアストラル体投射をご存じでしょうか。幽体離脱や体外離脱と呼ばれることもあるこの術は、あまり普遍的ではないかもしれません。ですが、私は過去に1回ほどアストラル体投射に成功したので、その時の経験を記したいと思います。

 

 

アストラル体投射とは

 アストラル体投射とは意識をエーテル体分身に移し、それを意志に応じて動かせるようにする手段のことをいいます。もっと簡単に言うと、意識が体から抜け出し、自由に動き回れるようになることです。

 

エーテル体分身とは

 エーテル体分身は、普通に生活していると気づきにくいですが、誰でも持っている物質の身体ではないもう一つの身体です。霊能者の中にはエーテル体分身の存在に気が付いている人もいるそうです。

 

わたしがやった方法

 まず準備として、ソファの上に横になりました。家には姉がいましたが、それ以外は誰もおらず、辺りは静かでした。四拍呼吸を行いました。四拍呼吸は、四拍で息を吸って、四拍息を止め、四拍で息を吐いて、四拍で息を止めるのを繰り返します。次に、身体を弛緩しました。体の一部分に力を入れて、その後力を抜くというのをつま先から足、尻、おなか、腕、肩、顔、頭まで行います。

 準備ができたら、自分の身体から2mほど離れたところに自分の身体があるのをイメージします。そして、想像力で、自分がイメージした体の中に入っているのをイメージします。本当は、ここで投射が成功するのかもしれませんが、私は上手くできませんでした。そこで、恥ずかしながら、退屈しのぎに自慰行為を行い、オーガズムに達しました。その後意識が遠のいて、気が付いたらアストラル体投射に成功していました。

 

アストラル界はどのようであったか

 周りの景色は普段と変わりませんでした。ただし、水中ほどではありませんが、周りに流体が満ちているのを感じました。また、空中に浮くこともできました。私は、一階から二階へ、階段を使わずに宙へ浮いていくことができました。ただし、怖かったのもあって、3分ほどで体へと戻りました。体へ戻るときは、エーテル体分身が肉体に引き戻されるような感覚がしました。また、アストラル体投射は、明晰夢を見ている感覚に近いです。

 

その後

その後も何度かチャレンジしてみましたが、なかなかうまくいきません。1度だけ、身体から頭だけ出ましたが、すぐに体に戻ってしまいました。

 

参考文献

デイヴィッド・コンウェイ 阿部秀典訳,『魔術 理論篇』,中央アート出版社,1996

デイヴィッド・コンウェイ 阿部秀典訳,『魔術 実践篇』,中央アート出版社,1998

大澤義孝,『幽体離脱入門 霊トレで離脱は誰でもできる!』,アールズ出版,2020

大澤義孝,『幽体離脱レーニングブック』,アールズ出版,2013

論文を読む方法

みなさんはより深い知識を得たいと思った時にどうしますか?一般的には本を読んだりネットの記事を読んだりすることになると思いますが、実はそれ以外にも方法があります。それは、論文を読むことです。ここでは論文を読む方法を紹介し、実際に論文を読んでみましょう。

 

 

無料で読める論文の検索サイト

 有名な論文検索サイトとしては、CiNii、arxivJ-STAGEGoogle Scholarなどがあります。

CiNii Research

arXiv.org e-Print archive

J-STAGE トップ (jst.go.jp)

Google Scholar

 

論文を読む

 上記の論文検索サイトを使って、早速論文を読んでみましょう。今回は、CiNiiでシリアルキラーについて調べることにします。

 上記のリンクをクリックすると、上のような画面が出てくると思います。まずは、検索バーに調べたい言葉を入力してみましょう。

検索をクリックするとこのように言葉に関連する文献が何件も出てきます。これらはクリックすることで詳細を知ることができます。

上の画像では、機関リポジトリという記載があるため、ここをクリックすることで、各研究機関のサイトへ飛ぶことができます。論文をダウンロードして読むことができる場合もあるため、ぜひ確認してみてください。

この場合は論文のタイトル「重大事件の背景要因と犯罪防止に関するケーススタディ」の下に、141-146松本(669.25KB)という文字があると思います。ここをクリックすることで、論文をダウンロードすることができます。

世界の魔術師たち

みなさんは魔術師を知っていますか。魔術師とは、魔術を使う人のことをいいます。魔術とは、簡単に言ってしまえば、予知や幽体離脱などの超能力じみた術のことです。多くの人はこのような術とは無縁で生きることになるかもしれませんが、魔術を使用する人は実際にいます。今回は、その中でも有名な魔術師を何人か紹介したいと思います。

 

 

アブラメリン

 アブラメリンは、アブラメリン魔術、あるいは真正魔術と呼ばれる魔術を実践、保護していた人物です。アブラメリン魔術は、魔術をこころざす者が、いつかは実践しようと夢見る魔術です。いったん成功すれば、普通の魔術をはるかに超えた超パワーを得ることができるが、万一失敗すれば、待っているのは死か狂気のみだといいます。

 アブラメリン魔術は他の多くの魔術と違って、魔術を行うとき生贄を必要とはしません。アブラメリン魔術で用いるのは、アルファベットを組み合わせたごく簡単な図形だけです。しかし、そのパワーは強烈で、アブラメリン魔術に不可能はなく、また、どんな魔術もそれに対抗することはできないというのが魔術師のあいだの常識です。

 

ダイアン・フォーチュン

 今世紀の名高い魔術師の一人に、ダイアン・フォーチュンという女性魔術師がいます。彼女はわずか4歳のころから幻を見たり、他人の隠された感情を見通せるようになりました。

 やがてダイアンはフリーメイソンの女性グループに加わり、オカルト研究に参加しました。そんなある日、”オカルトの歩く辞書”こと、マイア・カーティフウェップという女性と親しくなりました。このとき彼女から、黄金の夜明け団を紹介されました。

 そんな彼女は、後に、黄金の夜明け団の最高位階のモイナ・マグレガー・メイザースと魔術闘争を繰り広げることとなります。これは意見の相違から仲たがいしてしまったためです。例えばダイアンは、ふと、誰かが自分にテレパシーによる催眠術をかけようとしていることを察知しました。これほどの術を使えるのはモイナ以外にはいません。そのとき、窓の外で「ぎゃあ!」という鳴き声が聞こえました。見下ろすと、いたるところに数十匹の黒猫が座り、彼女めがけて牙をむき吠えたてていました。

 

ウルフ・メシング

 二十世紀最大の超能力者と言えば、なんといっても「四次元男」の異名を持つ、ウルフ・G・メシングをおいて他にいないでしょう。

 メシングは十一歳のとき、早くも超能力を発揮し、ただの紙切れを汽車の切符に化けさせて、検礼にきた列車の車掌を面食らわせています。成長してからは名高い物理学者アインシュタイン博士、精神分析学者フロイト、インドのガンジー首相などに持って生まれた超能力を認められ、世にも不思議な四次元男として有名になりました。

一九三七年メシングは、時のドイツ総統であるヒトラーの自殺と、ナチの滅亡を予言しました。怒ったナチスは、彼をとらえ、銃殺刑を命じました。しかし彼は、処刑寸前にテレパシーを使って警備員全員を一か所に集めておき、そのすきにまんまと逃げだしてロシアに亡命しました。

 

マザー・シプトン

 マザー・シプトンは、予言者としても有名な、十五世紀イギリスの魔女です。彼女の名前は、一六六八年に匿名の作者が発刊した伝記「マザー・シプトンの奇妙で不思議な歴史』によって、はじめて歴史の中に登場します。伝記作者が匿名であることから、マザー・シプトンの実在そのものを疑う研究者もいますが、彼女の名前は、イギリスのナレスボローの洞窟に残されていたり、民衆の心の中に伝説的な魔女として深く刻み込まれています。それに、彼女のものと言われる予言には、二十世紀になってから、みごと的中しているものも多いといいます。

 

アントン・ラヴェイ

 悪魔教会創始者アントン・スザンダ―・ラヴェイは、一九三〇年四月十一日、シカゴで生まれました。物心ついたころから、超自然的なものに魅かれ、『ドラキュラ』や『フランケンシュタイン』などの怪奇物語を読み漁りました。

 ラヴェイはサンフランシスコ・シティ・カレッジで犯罪学を専攻し、サンフランシスコ警察で働くことになります。彼の仕事は、警察署の各課によせられる、さまざまな苦情を処理することでした。裏庭に浮かぶ光る影、不思議な音、UFO、怪奇光線など、人々は真夜中に出会う様々な怪奇現象を訴えてきます。ラヴェイは催眠術や呪文や護符などを用いて、人々の不安を解消してやったため、地方新聞にゴーストハンター、魔術師などとして取り上げられるようになりました。

 ラヴェイの行った仕事としては、悪魔教会の創設が挙げられます。ラヴェイは、四月三十日のヴァルプルギスの夜祭りの日に悪魔教会を創立しました。

 

参考文献

桐生操,『世界史・黒魔術の帝王たち』,にちぶん文庫,1996

 

恐怖のシリアルキラー その心理を考察する

みなさんはシリアルキラーを知っていますか。シリアルキラーは日本語では連続殺人鬼と訳されます。怖い名前ですよね。今回は、そんな彼らの心理状態を考察してみたいと思います。

 

 

シリアルキラーの定義

 連続殺人(Serial muder)とは、一人(まれに二人)の犯人が一度に一人(まれに二人以上)を殺害し、一定の犯行を行わない期間(これを冷却期間という)をはさんで、また殺害を行い、これを繰り返すタイプの殺人です。よって、連続殺人鬼とは、そのようなタイプの犯行を行う人物のことをいいます。

 

シリアルキラーのタイプ

 シリアルキラーの分類方法は様々なものが考えられますが、その中の一つに、秩序型連続殺人者と無秩序型連続殺人者に分けるという方法が考えられます。秩序型連続殺人者は、計画性があり、被害者を言葉でだまして誘拐したり拘束し、殺す前にサディスティックな行動やレイプを行い、凶器や証拠は隠蔽し、死体も見つからないように処分するものです。無秩序型連続殺人者は、行き当たりばったりで犯罪を行い、突然被害者を襲い、レイプやサディスティックな行動は被害者が死亡後に行い、遺体や証拠、凶器なども現場に放置し、現場は様々なものが散乱した状態であるというものです。

 前者のタイプは、平均またはそれ以上の知能を持ち、熟練を要する仕事についており、配偶者または愛人と同居している社会性のある人物であるのに対して、後者の人物は、平均以下の知能で、無職か熟練を要さない仕事についており、独居か親と同居の社会性のない人物です。

 

シリアルキラーが殺人を犯す過程の心理状態

 シリアルキラーは、犯行を犯す過程で7つの心理状態を経験します。ここでは、その状態のそれぞれを概観します。

1.前兆(アウラ

 行動に変化が起きる前触れとして、日常の現実からの一種の引きこもりが始まります。まず、時間の流れが遅くなったように感じます。また、音と色が強烈になります。匂いも強くなり、ほんのちょっとした圧迫にも敏感になります。或いは、長い空想をするようになります。この状態は、数瞬しか続かないこともあれば、何か月も続くこともあります。

2.徘徊(トローリング

 この段階では、脅迫的観念により、殺人者は新たな獲物を探し始めます。それまでに行った観察、空想、歪んだ欲求に導かれて、獲物と出会うチャンスが一番ありそうな場所へと向かいます。郊外のショッピングモールの駐車場、夜の暗い街路などです。また、殺人者は、極めて用心深くなり、集中力も高まっていきます。

3.求愛

 連続殺人者は被害者に近づくと、まず相手の心から疑いを取り除きます。例えばシアトルの法科定時制学生のテッド・バンディは、人を惹きつける少年のような振る舞いを身に着けていました。被害者の女性たちはそこに魅せられ、彼に近づいてしまいました。

4.捕獲

 これは急激に行われることもあります。例えば車のドアをノックする、窓から突然押し入る、一発で相手が目を回し、殺人者の足元で身動きもできなくなるように、素早くタイミングよく殴打を加える、という具合です。また、これから行う殺人の詳細を被害者に詳しく話すこともあります。

5.殺人

 シリアルキラーは、単に殺すだけでなく、殺人前、あるいは後に性的暴行を加えることがあります。彼らの供述によれば、殺す時こそ精神的なハイな状態が訪れるといいます。また、自然に起こるオーガズム、性的な解放感を報告している者もいます。

6.トーテム

 殺人によって得た快感や勝利の感覚も、被害者が絶命した後は急速に衰えます。そして、気持ちが急速に落ち込み始めます。殺人者は、何とか殺す時の快感を長く味わいたくて、被害者の一部を切断して持ち帰ったり、食べたりすることがあります。この被害者の一部を、トーテムといいます。

7.鬱

 殺人者のテッド・バンディは、本当のところ、殺人からは期待していたものを得られたためしはないと告白しています。実際、殺人が残したものと言えば、彼が果たそうとしていた感情の解放は結局達成できないのではないかというむなしい気持ちと絶望感だけだったといいます。また、この段階では、自分が犯した犯行にうんざりして、警察に告白の手紙を送る者もいます。

 

シリアルキラーの幼少期

 シリアルキラーの幼少期に見られる特徴としては次のものが挙げられる

①頭部損傷や、出産時に負った傷

➁両親がドラッグあるいはアルコール乱用者

③肉体的、精神的虐待、または残酷な養育態度の被害者

④困難な妊娠期間の影響

⑤子供時代の幸せが中断されたか全くなかった

⑥動物に対する極度の残忍性

 

彼らと向き合うにはどうすればよいか

 ここまで見てきたように、シリアルキラーとは自然発生的に生まれる怪物ではなく、幼少期のトラウマを抱えた精神疾患の持ち主といえます。彼らに対して必要なのは、単なる社会的制裁や非難ではなく、専門機関による精神的ケアであるといえます。また、彼らは人生の中で何度か助けを求めるときもあります。カールトン・ゲーリーは、刑務所から仮釈放される際、仮釈放審査会に、仮釈放しないでくれと助けを求めました。結局彼は仮釈放され、殺人を犯してしまいます。もし、当時彼の訴えが受け入れられていたら、その後の殺人は防げたかもしれません。このように、社会はシリアルキラーに対する接し方を考える必要があります。

 

参考文献

越智啓太,『ケースで学ぶ犯罪心理学』,北大路書房,2013

ジョエル・ノリス 吉野美恵子訳,『シリアル・キラー 心理学者が公開する殺人者たちのカルテ』,早川書房 ,1996

ロバート・K・レスラー&トム・シャットマン 相原真理子訳,『FBI心理分析官 異常殺人者たちの素顔に迫る衝撃の手記』,早川書房,2000

ロバート・K・レスラー 狩野秀之訳『快楽殺人の心理 FBI心理分析官のノートより』,講談社,1995

ピーター・ヴロンスキー 松田和也訳,『シリアルキラーズ 異常殺人大百科』,青土社,2015